ぎっくり腰とは、正式名称を急性腰痛症と言い、突発的に起こる腰の激痛の事を指します。ぎっくり腰にはいくつかのパターンがありますが、主に筋肉(腰方形筋や大腰筋など)の炎症、捻挫、肉離れが原因です。ぎっくり腰が起きると、数日間はまともに歩く事は出来なくなりますし、酷い時には、痛みで全く動けなくなり、入院が必要になる事もある程です。
ぎっくり腰が起きる仕組みは、主に2つあります。一つは、瞬間的に腰に大きな負担がかかった場合です。重い荷物を持ち上げようとした時や、子供をだっこする時などが該当します。もう一つの仕組みとして、長期的に腰に疲労が蓄積し続けていたところに、ちょっとした衝撃を受けて発症するぎっくり腰もあります。こちらの場合は、朝ベッドから起きる、座っていた椅子から立ち上がるなど、特別腰に負担がかかるような行為では無くても、ぎっくり腰を誘発してしまうのです。
ぎっくり腰は、普段の生活習慣によって、なりやすい人がいます。例えば、肥満体質の人です。当然ながら、体重が重い人程、腰への負担が大きくなるからです。特に、急に太った人の場合は、より腰を酷使する事になるので注意すべきです。
他には、ハイヒールをよく履く女性もぎっくり腰が起きる事が多いそうです。ハイヒールを履いた時は、お尻が突き出た体勢になり、腰がかなり湾曲してしまうので、それだけ負担がかかるのです。また女性特有の子育て腰痛に気を付けるポイントは、子供目線で屈んだり中腰にならず、膝をついて腰が楽な姿勢で向き合うことです。
そして、タバコを吸う人もぎっくり腰の危険が高いです。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる仕組みがあるため、血行が悪くなり、腰に疲労が蓄積しやすくなるからです。腰に限らず、タバコを吸って体に良い事は何もありませんので、一刻も早い禁煙を心がけるべきです。
また、長時間同じ姿勢で座り続けるのも腰に良くありません。仕事がデスクワークの人、あるいは、バスやトラックで長距離運転をしている人などは、慢性的に腰に負担をかけ続けているため、ぎっくり腰になる可能性も高いのです。対処法としては、出来るだけこまめに休憩を挟んで、腰の筋肉を伸ばすストレッチなどを行うのが有効です。
何より、ぎっくり腰の大きな原因となるのが運動不足です。ぎっくり腰が起きる人は、若者よりも、体力の衰えた中年~お年寄りが圧倒的に多いです。そのため、普段から適度に運動し、腰の筋肉を強くしておくのが有効です。
ぎっくり腰は、その仕組み上、一度起きると再発しやすいケガでもあり、普段の生活習慣に充分注意しておく事が対策です。
万が一、ぎっくり腰になってしまった場合は、RICEの法則に従って対処すべきです。RICEの法則とは、ケガの応急処置の4原則の頭文字(Rest=安静・Ice=冷やす・Compression=圧迫/固定・Elevation=挙上)を取った言葉です。
ぎっくり腰の発症後は、とにかく安静にする事です。私自身、ぎっくり腰を経験した事がありますが、その時は、腰を海老のように丸めて、仰向け(もしくは横向き)に寝るのが、最も負担が少ない体勢でした(もし腰を曲げると痛い場合は、無理してこの体勢を取らないようご注意を)。就寝時も、出来る限りこの体勢を崩さない事がポイントです。
そして一番重要な対策が、ぎっくり腰の発症後すぐに腰を冷やす事です。患部を冷やして、炎症がそれ以上拡がらないようにするのです。この処置を如何に素早く行えるかで、完治までの期間が大きく変わります。氷を入れたビニール袋を、タオルにくるむなどして、しばらく腰に当てるのが有効な冷やし方です。
また、コルセット(もしくはさらし)を強く巻いて、腰を圧迫・固定する事で、痛みが大幅に軽減されるはずです。なお、挙上とは、患部を心臓より高い位置にして血流を減少させる仕組みですが、これはぎっくり腰の場合には難しいので、RICの3点に注意すれば良いでしょう。
ただし、このRICEの法則は、あくまで応急処置の方法です。ぎっくり腰は、椎間板ヘルニアなどの症状を併発する恐れもありますので、ある程度落ち着いたら、速やかに病院で診察を受けるのが望ましいです。